東京都生まれ。幼少よりピアノ、エレクトーンを学び、洗足学園音楽大学ならびに同大学附属指揮研究所マスターコースを経て、2006年仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者に就任し、プロ指揮者としてのキャリアをスタートさせた。2009年沖縄で新設された琉球フィルハーモニックの初代専任指揮者に就任、2012年正指揮者に就任する。その後も、国内主要プロオーケストラへ定期的に客演しつつ、文化庁主催「文化芸術による子供の育成事業」、日本オーケストラ連盟主催「オーケストラの日」、沖縄県主催「県民クラシックコンサート」、仙台市主催「杜の都のふれあいコンサート」、豊橋市主催「豊橋市市制110周年記念演奏会」、全日本吹奏楽連盟主催「吹奏楽コンクール課題曲選考会」、大韓民国文化庁主催「International Wind Band Festival」、台湾嘉義市主催「International Band Festival」などのプロジェクトに携わり、年間のコンサート出演は70公演以上を数える。またスタジオワークも多く「BRA☆BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO」「THEテーマ」「ヒットマーチ!」シリーズなど、数多くのCD制作のレコーディングを担当する。近年の活動はメディアにも度々取り上げられ「基礎のしっかりした音楽作りが底流にあり、構成観の確かさと、雄弁な棒のテクニックが説得力に直結している」(レコード芸術)、「見事な造形で豊かな音楽観によって作品を入念に仕上げていたように思う。テンポの変化の妙味に特筆すべき物が感じられ、期待したい指揮者」(music pen club Concert Review)と評される。指揮法を秋山和慶、河地良智、増井信貴の各氏に、スコアリーディングを島田玲子氏に、クラリネットを松代晃明氏に師事する。現在、琉球フィルハーモニック正指揮者、ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ音楽監督、VIVID BRASS TOKYO首席指揮者、洗足学園音楽大学講師。(東京都在住)
ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ
Blitz Philharmonic winds
2003年4月Blitz Brass(ブリッツ・ブラス)として結成。2013年4月結成10周年を迎え、一般社団法人BlitzPhilharmonic winds(ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ)と改称。結成以来、「クラシック音楽のコンサートに足を運んだことのないお客様にも吹奏楽を通じて音楽の素晴らしさを伝えたい」というコンセプトを掲げ、年4回の定期演奏会では「指揮者のいない吹奏楽」、「吹奏楽による第九」、「Crossover Blitz!」など既存の型にとらわれない斬新なスタイルの公演を数多くプロデュースし、これまでの演奏会では入場制限をするほどの人気を獲得している。メンバーには、日本を代表するコンクールの入賞者や国内外のオーケストラで活躍する奏者を擁し、演奏内容にも定評がある。また、これらの実績により2010年10月大韓民国文化庁主催 2010 Korea International Wind Band Festivalに招聘され、初の海外公演を果たす。主要3都市での公演は大成功を収め、その様子は韓国国内でテレビ放映された。レコーディングも意欲的に行い、吹奏楽の主要なレパートリーを収録したCD「Blitz Brass」シリーズは、これまで楽天クラシック部門で週間売上第1位を記録し、クラシック音楽のCDとしては異例の売上を記録した。また異色のコラボレーションと斬新な企画が話題を呼んだCD「SAX EXPO!!」は、レコード芸術誌で特選盤として紹介される他、2010年度レコードアカデミー賞吹奏楽部門ノミネート作品となるなど高い評価を得ている。演奏依頼も多く、キングレコード「ヒットマーチ!」シリーズ、東京書籍webショップ音楽専門館「ブラス・アンサンブル」シリーズを手掛け好評を得る。また全国で開催される小中高生を対象にした音楽鑑賞教室や0歳から入場出来る親子コンサート「こどもブリッツ」などの教育プログラムも幅広く展開している。
真島俊夫の作曲史を優れた演奏で評価する一枚
2016年春、CAFUAレコードは「ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ」音楽監督の松元宏康さんと話し合いを重ねました。CAFUAとブリッツで手を組んで、レコーディングや演奏会をしようじゃないか。じゃあ、どんな企画だと実現できるだろう。CAFUAとブリッツの組み合わせでなければ出来ない事は何か、様々な案を出し合っている最中、真島俊夫先生の訃報に接しました。真島先生に感謝の気持ちを伝えたい、真島先生の作品を未来に伝えていきたいという思いから、「真島俊夫プロジェクト」を実施する運びとなりました。
その後は真島先生の作品を片っ端から聞き、何度も松元さんと話し合いを重ねました。「三つのジャポニスム」など盛んに演奏される作品をあえて曲目に加えず、「宝島」のようなポップス作品も取り上げず。名曲として後世に残さなくてはいけない、そして「作曲家・真島俊夫」の道標として欠かせない作品を集めたい。それなら「巴里の幻影」か、それに「三日月に架かるヤコブのはしご」も取り上げたい、フランス作曲家のアレンジ作品も収録したい…。最終的に、5曲のオリジナル作品と、2曲のアレンジ作品を取り上げる事になりました。2日間に渡るセッションレコーディングを実施し、その直後にブリッツの「第28回定期演奏会」(2016年11月30日)を開催。演奏会後は「こんなブリッツの音は聞いたことがない」という高い評価をたくさん頂きましたし、松元さんご自身も同じ手ごたえを感じてらっしゃったようでした。
今回収録した曲の中でも、サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」の吹奏楽編曲は、生前真島先生が耳にする事がかなわなかった作品。ヴァイオリンソロのヴィルトゥオーゾ的作品を吹奏楽だけで演奏する、非常に難易度の高い編曲を、松元氏の素晴しい解釈とブリッツフィルの見事な演奏で完璧に再現しています。
ブリッツフィルとしては、約6年ぶりの本格的なセッションレコーディングを実施。同団音楽監督であり、国内主要オーケストラへの客演も盛んな新進気鋭のマエストロ、松元宏康さんのタクトと相まって、プロならではの高い技術力と音楽性で真島氏の音楽を深く掘り下げ、いつまでも色あせる事のない作品群から最高の彩りとサウンドを導き出しています。
●曲目●
[1] 三日月に架かるヤコブのはしご
Jacob's Ladder to a Crescent
[2] さくらの花が咲く頃 レンタル楽譜
A Season in the Bloom of Cherry Blossoms
巴里の幻影
Mirage Paris
[3] 1.サン・ジェルマン・デ・プレ
[4] 2.メディシスの泉(リュクサンブール公園)
[5] 3.モンマルトル - テルトル広場
[6] 五月の風
Concert March 'Sweet Breeze in May'
[7] ニライカナイの海から
From the Sea of NIRAIKANAI (Legendary Paradise of Okinawa)
[8] 序奏とロンド・カプリチオーソ
Introduction et Rondo Capriccioso
カミーユ・サン=サーンス / 編曲 : 真島俊夫
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲 レンタル楽譜
Daphnis et Chlo, Fragments Symphoniques : 2e Srie
モーリス・ラヴェル/編曲 : 真島俊夫
[9] 夜明け
[10] 無言劇
[11] 全員の踊り
ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ
指揮 : 松元宏康
2016年11月28、29日 川崎市・麻生市民館 大ホールにて収録
真島俊夫 (作・編曲家)
Toshio Mashima, Composer & Arranger
吹奏楽の為のオリジナルやジャズ・ポップスの作品が多く、過去に吹奏楽コンクール課題曲が3曲ある。代表作としては2001年に東京佼成ウインドオーケストラに書いた『三つのジャポニスム』、2006年にフランスのリールで開催された「第2回クー・ド・ヴァン国際作曲コンクール」に於いてグランプリを受賞した『鳳凰が舞う』、2008年にブラジルのトム・ジョビン音楽学校からの委嘱で書いた、マリンバとバンドの為の協奏曲『大樹の歌』、2011年に東京佼成ウインドオーケストラに書いた『地球-美しき惑星』等がある。
2016年4月没。