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【好評発売中♪ 井澗昌樹ソロ楽譜】
皆さまこんにちは!心配事の多い今日この頃ですが、いかがおすごしですか?
CAFUAではこの春から、人が集まることに気を使う状況の中、「いま出来ることをお手伝いしよう」と考え、ソロ器楽曲の楽譜ラインナップを広げて参りました。
本日は、先頃7月13日に発売致しました、井澗昌樹さんのソロ器楽曲を三つご紹介したいと思います^^◆井澗昌樹作曲「詩曲Ⅰ」(Trb.&Pf.)
[演奏時間:約10分、税抜4,000円]ソロトロンボーンとピアノ伴奏のための作品です。
CAFUAでは以前から、木管3重奏の「詩曲Ⅱ」をお取り扱いしていて、アンサンブルコンテストでもしばしば演奏される人気作品となっておりますが、“Ⅱ”と題されていることは長らく皆さんの心に疑問を投げかけていたことと思います。「Ⅰはあるのか、どうなっているのか」と…
この度ついに出版の運びとなった「詩曲Ⅰ」は、タイトルに振られた番号の通り「詩曲Ⅱ」に先立って作曲されました。
作品が生まれる発端となった動機は(モチーフという意味ではないと思います)、ⅠとⅡで同一・共通のものだということですが、Ⅰの方でより内向きに表現されていると作曲者自身がその解説の中で語っています。
それについて考えるとき、たとえば、Ⅱは3重奏で、Ⅰは伴奏を伴うソロであるということも、都合が良いというか、マッチしているというふうにも考えられそうです。
音楽を通じて作曲者や自分の心のうちを深く見つめるとき、静かに集中するには一人でそれを行うのが良さそうな気がしますが、それでもなおピアノ伴奏がありますので、お互い妨げになるのではなく、同じ道を歩く同志のように助け合って奏でる、そのような気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、必ずしも“短期で仕上げる”というふうには考えず、時間をかけて向き合う人の心の課題のように、意識のどこかにこの曲の存在を持ち続けて、折々に思い出したように演奏してみるというのも面白そうです。きっと時がたつにつれ、一層深い味わい、新鮮な発見をもたらしてくれることでしょう。ちょっと抽象的な紹介になってしまいましたが、他の部分に触れますと、ソロ・伴奏パートともに読譜にまずエネルギーを使うタイプの作品で、その次に演奏すること、合わせることにそれぞれ力を使う上級者向けの作品です。また作品の質として、精神的、抽象的、文学的、哲学的、内向的…このような要素に親しみのある方におすすめです。プレーヤーになにかしらの理解や共感があってこそ、聞く人にも何かが伝わっていくことと思います。
1曲目から長くなりました(^^;
次の作品にいきましょう!◆井澗昌樹作曲『詩曲Ⅲ「飛べない」』(Tuba&Pf.)
[演奏時間:約5分、税抜3,800円]こちらはなおレアな、伴奏つきTubaソロ作品となっております。
「詩曲」シリーズをⅠ、Ⅱ、Ⅲ、と並べてみて、このシリーズに共通するものはなんだろう…と考えるのは面白いテーマですね。楽器ではないし、ソロかアンサンブルかということでもないんですね。
古典的な音楽の形式にはまらない…といえば、「自由な」という言葉がすぐに思い浮かびますが、今までの作品を見て考えますと、逆に「不自由」という言葉がよさそうです。
“何か”から不自由である。それは“作曲者の何か”であり、それこそがこの詩曲シリーズに共通する要素なのかもしれません。Ⅳ以降続いていく作品があるのか、どうなるのかも楽しみになってきますね。こちらの作品は、残念ながら現状試聴音源などをご用意出来ておりません。それほど、演奏も簡単ではなく、またデモ音源を作成することも容易ではない作品ということで…店頭で楽譜を手に取って見て頂くか、ご購入頂いて、見て音出ししてみて頂くということになってしまうのですが、実は商品の詳細ページで楽譜の画像をクリックして頂くと、スコアの1ページめを見ることが出来ます。
この作品は特に、楽譜から伝わってくる雰囲気があると思いますので(冷や汗出ますよ~)、ご興味を持たれた方はぜひ見てみて下さいね!それと、現在CAFUA webショップでは販売譜とCDが全品15%割引になるセール中ですので(中にはさらにお買い得な商品もあります)、普段ですとちょっと手を出しにくい「難しそう」「音源がなくてどんな曲か分からない」という楽譜もお求め安くなっております。このチャンスをぜひお役立て下さい^^さて、2曲めも長くなってしまいました!最後の曲に参りましょう!
◆井澗昌樹作曲「Aflutter」(A.Sax.&Pf.)
[演奏時間:約7分、税抜3,800円]この曲は!全曲通して視聴できる演奏動画をご提供頂きましたので、皆さま是非じっくりとご覧下さいませ(T▽T)
タイトルは「アフラッター」と読みます。
作曲者による解説文に比較的分かりやすく書かれていますが、作品の着想ポイントは“心臓”とそれに関わる“言葉”にあります。
その“言葉”というのがすなわち“atrial flutter”…不整脈の一つである、 “心房粗動”を表す英単語なのですが、さらにここに、作曲者自身が吹奏楽を通して“flutter”という単語と意味に親しんでいたからこそ、これらのイメージが直ちに連結したわけですね。
「胸を締め付ける息苦しさ(もしかしたら生き苦しさ)」は…字の通り、そのままでは苦しいつらいものですが、少し視点をずらせば、いま生きていることの確かさでもあり、またそれを曲にしたり演奏したりすれば、多くの人に伝えながら芸術として表現し昇華することが出来ます。
というわけで、「芸術とは、表現とは、いかなるものか?」と考えながら演奏してみると、音符や心臓のこと、息苦しさのことだけにフォーカスするのとはまた違う音楽が生まれそうですね。ついつい文字が多くなってしまいましたが、最後までお読み下さりありがとうございます!
井澗作品ファンの方、内省を通じてご自身の音楽を深めたい方におすすめのソロ作品をご紹介させて頂きました。
CAFUAのソロ楽譜は、青いジャケットが目印です!サイトや店頭で探して頂く際はぜひお役立て下さい♪