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カルテット・スピリタス「THE QUARTET II」リリース!
並外れた実力を有しながらも、時には軽妙な演出でライブを盛り上げる「カルテット・スピリタス」は多くのサックス奏者から評価される、今や日本を代表するサックス四重奏団です。
「レコード芸術」誌で【特選盤】に輝いた「THE QUARTET」から7年、満を持しての新作アルバムが登場!その名も「THE QUARTET II」。前作に続き、馴染み深いサックス四重奏の名曲ばかりを集めました。
1曲目のジャンジャン兄弟「四重奏曲」から「曲本来が持ってる美しさを引き出し、フランスらしいエスプリを表現する」という新しいアルバムのコンセプトが如何なく発揮されています。アンサンブルコンテスト等で馴染み深い作品ですが、ここまで「ひらひら舞うような軽妙さ」と「緻密で完璧なアンサンブル」が融合した演奏は聞いたことがありません。一聴してスピリタスの世界に引き込まれる事と思います。
2曲目はフランセの「小四重奏曲」。3楽章合わせても10分に満たない小品ですが、フランセらしい小気味よさと美しさがキラキラ輝く名曲。ジャンジャンに続き、スピリタスの4名は絹糸を紡ぐような優しさと繊細さでこのこじんまりした小品を奏でています。
3曲目は唯一単一楽章の曲であるピエルネの「変奏曲」。幅広く豊かなサウンドの序奏にはじまり、変奏では細かい音符をサラッと軽快に演奏。締めくくりの力強い和音の響きも印象的。実力あるアンサンブルだからこそできる芸当を惜しげもなく披露しています。
最後を飾る4曲目はパスカルの「四重奏曲」。2017年に没したパスカルは現代フランスを代表する作曲家でしたが、その音楽は20世紀フランス音楽のようなエスプリと美しさを讃え、サックス四重奏のサウンドに見事にマッチしています。そして、このスピリタスのアルバムを閉じるのにも相応しい作品です。
前作と同様に名四重奏曲を集めたコンセプトのアルバムですが、CDジャケットのイメージ通り、「重厚で力強い」前作とはうってかわって、「エスプリの効いた軽妙な」作品を集めた本作は、しかし、あらゆる四重奏曲から、あらゆる表現で最高の音楽を引き出すカルテット・スピリタスの真骨頂と言えるものとなりました。時には、これまでの演奏解釈からはみ出た表現に驚く事もあるかもしれませんが、それすらも「なるほど」と納得せざるを得ない説得力と信念に溢れています。今のカルテット・スピリタスだからこそ表現できる魅力あふれる音楽をお届けいたします。