• クラリネット渡邊一毅 ソロCD「Triptyque」リリース!

    Date: 2018.08.23 | Category: NEWS! | Tags:

    「ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ」のコンサートマスターとして、
    また「オブロー・クラリネットアンサンブル」のE♭クラリネット奏者として、
    更にスタジオミュージシャン、指導者など様々な顔を持つ、
    クラリネット奏者、渡邊一毅のソロCD「Triptyque」(トリプティーク)を、
    2018年10月3日にリリースいたします!


    Triptyque
    渡邊一毅(クラリネット)、大野真由子(ピアノ)
    CACG-0282 2,800円(税抜)

    初アルバムのリリースにあたり、渡邊氏が特にこだわったのが、
    「E♭クラリネット」および「バスクラリネット」のソロ作品です。
    一般的に演奏されるB♭クラリネットだけではなく、
    これらの楽器もエキスパートとして活躍されている渡邊氏だからこそ、
    三種のクラリネット全てで最高の音楽性とヴィルトゥオーゾを発揮した、
    稀有なソロアルバムが完成いたしました。

    今回のアルバムに収録するのは全部で6曲!
    簡単に、それぞれの作品を紹介させて頂きます。

    エスクラとバスクラに拘ったアルバムですが、
    まず1曲目はベークラの作品で、プチハール作曲の「ソナタ第1番」。

    渡邊氏が「冒頭のピアノからノックアウトされる」とおっしゃるだけに、
    全編にわたり「素敵」という言葉がピッタリな優しい音楽。
    1曲目はこれ!との渡邊氏のこだわりに、お人柄を感じさせる選曲です。

    2曲目からエスクラとなりますが、プチハールとはガラリと曲想が変わり、
    むせび泣くような沈痛な響きが胸に刺さる、小栗克裕作曲の「悲歌」となります。

    オブローでの初演のため、渡邊氏の委嘱で作曲された「悲歌」。
    終始極度の集中力が要求される、本アルバム唯一の無伴奏曲です。
    時に、エスクラとは思えないような低音の深い響きもあり、
    渡邊氏の音楽性の全てを投入した演奏に、
    聴き手も深く没入せざるを得なくなるでしょう。

    3曲目もエスクラの作品で、スペインの作曲家、ガレゴが作曲した「スペイン民謡変奏曲」。

    おとなしい?タイトルの作品ですが、その中身はまさに「超絶技巧」。
    正直、演奏不可能なんじゃないか?と思える程の難しいパッセージが次々と続く、
    しかも演奏時間13分!を越える大作です。

    しかし、渡邊氏によると、作曲者のガレゴ自身がクラリネット奏者だそうで、
    この難易度も「吹けるか吹けないか、のギリギリのところ」を狙っているとの事。
    となると、渡邊氏の「吹いてやろうじゃないの!」という気迫がみなぎるのも当然で、
    聴き手も、ついつい手に汗を握ってしまうような、実にアグレッシブな演奏になっています。

    「緊迫」と「白熱」の後は、楽器をバスクラに持ち替え、
    4曲目は一転して柔らかい音楽を。
    ユーフォニアムのソロ作品としてお馴染み、スパーク作曲の「イーナの歌」をお届け。

    日頃は低音でバンドやオケのサウンドを支えるバスクラですが、
    渡邊氏の手に掛かると、こんなにも美しく、切なく心に響くメロディを奏でられるのか、
    という正直な驚きを覚えます。

    しかし、バスクラでの真骨頂は、むしろ次の5曲目
    渡邊氏の委嘱で三浦秀秋が作曲した新作、「ディヴァステイテッド・ノート」。

    そもそも「Metalic」という仮タイトルがついていた事からも分かるように、
    この作品では、バスクラで「ヘヴィメタ」を演奏する事を狙った、
    非常にユニークな作品となっております。

    とても「イーナの歌」と同じ楽器、同じ奏者が演奏しているとは信じられない、
    低音をブイブイ言わせて、時に激しく、ヘドバンしたくなるようなゲキアツな作品です。
    「ヘヴィメタが好きでよく聞いている」という渡邊氏の意外な一面が、
    この作品で如何なく発揮…いや、もはや爆発と言ってもいいかも?しれません。

    さて、ベークラ、エスクラ、バスクラ、そして
    優しさ、激しさ、奥深さ、ヴィルトゥオーゾなど、
    渡邊氏の様々な側面が発揮された作品が並びましたが、
    6曲目にお届けする、当CD3曲目の委嘱作品、
    伊賀拓郎作曲の「トリプティーク」は、
    これら渡邊氏が持っている全てのパレットを駆使し、
    まさに「三連画(=トリプティーク)」の名にふさわしく、
    渡邊氏の持つ音楽表現が最大限発揮された演奏となっております。

    曲は3楽章構成となっており、まず、
    第1楽章「朝凪の舟航」はエスクラソロ。
    当CDでは激しい表現が多かったエスクラですが、
    この曲では美しく、優しい表現が印象的です。

    第2楽章「こぼれ落ちたかがり火」はバスクラに持ち替え。
    遅いテンポ、息の長いフレーズで、どこかジャズっぽさを感じさせる作品。
    「あれ、これテナーサックス?」と一瞬勘違いするような、
    ムーディさを感じさせるオトナの音楽です。

    第3楽章「燎原の火」は、何とバス、ベー、エスと持ち替えての演奏!
    それぞれの楽器の特性をフルに生かしつつ、
    その全てを表現しつくした、スーパークラリネット奏者渡邊一毅の真骨頂!

    作曲者の伊賀拓郎氏は、アニメ・ゲームなどの音楽で頭角を現している、
    まさに今最も注目の作曲家の一人。
    クラシック、ジャズなど音楽ジャンルの垣根など不要、とばかりの多彩なセンスで、
    これから多方面での活躍が期待される作曲家、音楽家の一人です!

    以前、オブローやブリッツのレコーディングで、
    「こんなに上手いクラリネット吹きがいるのか」と驚かされた渡邊一毅氏。
    そのソロデビューとなるCDをCAFUAで制作し、世に送り出せる事に、
    大きな喜びを感じております。
    世のクラリネット吹きの皆様に聞いて頂きたいのは勿論、
    「クラリネットは、こんな表現も出来るんだ!」と、
    全ての音楽ファンの皆さまに聞いて頂きたいアルバムに仕上がりました。
    是非お買い求め頂き、多彩で豊かな音楽に触れて頂けると幸いです。