• コンクール全国大会を“予習”しよう!-東京支部編

    Date: 2016.10.07 | Category: 未分類 | Tags:


    こんにちは。
    夏から予選が始まったコンクールも、今ではすっかり日暮れも早くなり、季節は秋本番となりつつありますね。
    全国大会予習シリーズの第8回目は、東京支部代表団体の自由曲からいくつかの作品をご紹介させて頂きます。1曲目はこちら。

    0168
    秋田吹奏楽団
    「阿部勇一 沈黙の地球(ほし)」
    指揮:佐藤正人

    こちらのCDに収録されている天野正道「鼓響…故郷」を、立正大学吹奏楽部が今年の全国大会で演奏します。
    この曲は秋田吹奏楽団の創立30周年を記念して委嘱された作品で、Ⅰ.童歌、Ⅱ.奏春、Ⅲ.鼓響の3つの楽章からなります。
    第1楽章は秋田の雪景色を歌ったわらべうたの旋律をモチーフとしていますが、その調べは「てるてる坊主の歌」にも似て、広く日本人の心に馴染みやすい雰囲気を持っています。
    オーケストレーションによって、もの寂しさと、この世ならぬ場所とつながっているかのような怖さ、不気味さも併せ持っています。それでいて「知っているけれど、忘れている何かを思い出させるような」サウンドが、「怖いのに聴くのをやめられない」というような不思議な引力を感じさせます。
    第2楽章は「奏春」と書いて“そうしゅん”と読みますが、“早春”とかけているのでしょうか、「早春に春を奏でる」その心は、長い冬のあとに訪れる春に芽吹く生命の喜び、温かくやわらかく、優しさを湛えた響きで、「秋田の春はかくの如きか」と憧れさえ抱かせられます。後半に少し不安な喧騒の気配が入り込んでくると、アタッカで第3楽章「鼓響」に入ります。
    祭り囃子に交錯する笛の音、太鼓にちゃんちき、熱狂的な日本の「全員の踊り」となります。
    「この秋田は知っている」…秋田出身の作曲者が描いた共通の認識が、懐かしさ、故郷への愛につながっていきます。
    全国大会での演奏もとても楽しみです。

    それでは2曲目に参りましょう。

    0241
    第15回 東日本学校吹奏楽大会
    高等学校部門【2枚組】

    こちらのアルバムのDisc2に収録されております、鈴木英史『「鳳凰」~仁愛鳥譜」』を玉川学園中学校吹奏楽部が全国大会の舞台で演奏します。
    この作品は「ライフ・ヴァリエーションズ~生命と愛の歌」「カントゥス・ソナーレ」(いずれもCAFUAレンタルライブラリー取扱)とあわせて“鈴木英史 愛の三部作”と呼ばれており、世界各地に伝わる不死鳥、フェニックスなどの伝説、手塚治虫の漫画作品「火の鳥」(未来編)等にインスピレーションを得て作曲されました。
    混沌とした世界と、相対する絶対的な存在としての火の鳥のアイディア、その鮮やかなコントラストがそのまま煌めくような生命力のイメージにつながっています。
    全国大会でも、熱く煌めくような演奏に期待が高まります!

    では、3曲目に参りましょう!

    0253
    文教大学吹奏楽部
    『R.シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」組曲』
    指揮:佐川聖二

    こちらのCDに収録されている樽屋雅徳「白磁の月の輝宮夜」を、今年の全国大会ではデアクライス・ブラスオルケスターが演奏します。

    幕張総合高校から「和風の曲を」とのオーダーを受けて書かれたこの作品は、「かぐや姫」の伝説をモチーフに、吹奏楽の楽器で篠笛や筝の琴、篳篥のような雰囲気を作り出して物語の世界観を築いています。
    みやびに美しく、不思議な風を吹かせ、離れがたきが引き離されて失う悲しさ、天上人と地上の民の語りと対話など、聴きどころが満載!ラストの太鼓のキメもとても格好良いので、「そろそろ終わりかな…」と思ったらすかさず太鼓の居場所をチェックして下さいね。

    ほかに、このシリーズで既にご紹介した作品ですが、小平市立小平第三中学校吹奏楽部が演奏する高昌帥「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」はこちらのCDほかをチェック!

    0238
    東海大学付属第四高等学校吹奏楽部
    「酒井 格 : 森の贈り物」
    指揮:井田重芳

    東海大学付属高輪台高校吹奏楽部が演奏するC.T.スミス「華麗なる舞曲」はこちらのCDほかをチェックしてみて下さいね。

    0054
    土気シビックウインドオーケストラ(vol.8)
    「C.T.スミス 華麗なる舞曲」
    指揮:加養浩幸

    本日ご紹介した「白磁の月の輝宮夜」は、CAFUAレンタルライブラリーで楽譜をお取り扱いしております。もちろん、POST de スコアも!

    本日も最後までお読み下さり誠にありがとうございます!
    次回もどうぞお楽しみに。