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コンクール全国大会を“予習”しよう!-東北・北陸支部編
こんにちは。
今日で9月も最終日となり、いよいよ全国大会の日が近づいてきましたね。
全国大会予習シリーズ第7回目は、東北支部・北陸支部代表団体の自由曲の中からご紹介をさせて頂きたいと思います。1曲目はこちら!
土気シビックウインドオーケストラ(vol.11)
「O・レスピーギ シバの女王ベルキス」
指揮:加養浩幸こちらのCDに収録されております、ヴァーツラフ・ネリベルの「2つの交響的断章」を、秋田県の秋田吹奏楽団が全国大会で演奏します。
B♭、D、F、Aの音を用いたフレーズが曲中で支配的に現れますが…
ただ音を並べて書いてみると、B♭の長七の和音の構成音のようですが、曲中ではDm(D、F、A)+6(B♭)、あるいはB♭(B♭、D、F)&B♭への導音としてのA、という性質が強いように思います。
煌びやかさはあるものの、情緒的というよりは無機的、信号的、数学的という印象があり、また「音の少ない部分」が多くあるのも特徴のひとつといえます。「音が少ない部分が多い」=「間(マ)が多い」と考えると、日本人の感覚に通ずるところがあるかもしれませんね。音のあるところ、ないところ、それぞれをどのように聞かせてくれるのか、とても気になります!それでは2曲目に参りましょう。
神奈川大学吹奏楽部
『J・イベール 交響組曲「寄港地」より』
指揮:小澤俊朗
(現在は売切につき販売停止)こちらのCDに収録されております、高昌帥「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」を、秋田県の湯沢市立湯沢北中学校吹奏楽部が全国の舞台で演奏します。
“マインドスケープ”は、日本語に置き換えると“心象風景”というふうになりますね。コンクールでもコンサートでも演奏される機会の多い、とても人気のある作品です。“心象風景”というならば、書き手にとっても、プレイヤーにとっても、聴き手にとっても、どこか“自由”な要素があるように思います。例えば…
(お持ちの方は)この神大の録音と、次のCDの録音を聴き比べてみて下さい。
東海大学付属第四高等学校吹奏楽部
「酒井 格 : 森の贈り物」
指揮:井田重芳こちらは短いコンクールカットバージョンでの収録になりますが、神大の頽廃的で不安と緊張感に満ちた演奏と並べて聴くと、四高(現在は東海大学付属札幌高校)の演奏のなんともいえない綺麗さ、さわやかでみずみずしいサウンドがお分かり頂けると思います。
これがつまり一つの“自由”…どんな心象風景を描き出すかは、プレイヤーの感性と表現力に委ねられている、その自由度が高いのだといえましょう。良し悪しではありません。
作曲者の思い描いた心の風景をのぞき見つつ、音にする時には、新たな風景を描き出して見せる。
全国大会の舞台では、どのような心象風景が展開されるのか、楽しみですね。
(注:神奈川大学吹奏楽部「寄港地」のCDは、好評につき現在売切れとなっております。ご購入希望の方には誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいませ。)石川県の津幡町立津幡南中学校が演奏する、天野正道「天雷无妄」の予習はこちらのCDで!↓
浜松交響吹奏楽団
「天野正道 天雷无妄」
指揮:浅田亨石川県の金沢大学吹奏楽部が演奏する、鈴木英史「カントゥス・ソナーレ」の予習はこちらのCDでどうぞ!
創価グロリア吹奏楽団
「TITAN」
指揮:佐川聖二…というわけで、本日はV.ネリベル「2つの交響的断章」と、高昌帥「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」をメインにご紹介いたしました。
全国大会“予習”シリーズ、まだまだ続きます!
次回もどうぞ、お楽しみに。