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楽譜紹介シリーズ〈2014.Autumn〉③!
こんにちは。きたる10月1日(水)に、「田中公平オン・ブラス!」楽譜シリーズ第4弾
「勇者王誕生!《勇者王ガオガイガー》より」が発売になります!
もうチェックはお済みですか?
本日の記事では、「田中公平オン・ブラス!」の既刊作品から、販売譜・レンタル譜を取りまぜて3曲ご紹介したいと思います! どうぞお付き合いください。
1曲めは、こちら↓
藤子不二雄A氏原作の漫画を元に、1989年にアニメ化された《笑ゥせぇるすまん》の音楽から、「恐怖」「セールスをする喪黒」「迫る」「喪黒福造のテーマ」を5分半のメドレーにしました。
その中から、見どころ(聴きどころ?)をいくつかご紹介しましょう。
まず、初めに配置された「恐怖」ですが、メドレー全体としては、次に来る「セールスをする喪黒」への序のようになっています。まず4拍子本来のものとは異なる(3つ取りの)アクセントと不協和音の刻みで、不安と緊張感→「恐怖」の感情のベースを作り、8小節目からはバス―ンのメロディ(っぽいもの)が入ってきます。 このバス―ンの入りですが、少し注意して聴いてみるとバスクラが一緒に鳴っているのが分かります。 何か変な感じがしませんか?
低音同士なので分かりにくいですが、このバス―ンとバスクラの音はぶつかっていて、フレーズの入りは毎回増4度になっています。これは、実際に合奏して音を出してみると戸惑うこともあるのではないでしょうか。
ですがここは、御承知の通り「恐怖」をさらにあおるための意図的なぶつかりですので、バスクラの方にはぜひ「確信犯」として、最適のバランスをねらって頂きたいと思います!
「セールスをする喪黒福造」で主にメロディーを担当するのはソプラノ・サックスですが、改めて「なぜソプラノ・サックスに?」と考えるならば、それは一つに「妖しさと強さを合わせ持った楽器」だからではないでしょうか。 バックのリズムは変わってタンゴ調になります。4拍めウラの引きずり加減にもこだわりたいですね。
…とこんな感じで続けていくと、長くて読み疲れるし、考える楽しみが減ってしまいますね。せぇるすまんはこの辺にして、次の作品に行きましょう。
GAINAX制作のアニメ《トップをねらえ2!》の、最終回エンディングに流れる音楽が、樽屋氏のアレンジで吹奏楽に生まれ変わりました! 美しく、かつ感動的な作品ではありますが、よくよく聴いてみるといくつかのメロディーがそれぞれ初めはシンプルに、楽器を変えながら少しずつ拡大していくのが分かります。 「ソロと伴奏だけ」から「同一楽器(クラなど)のユニゾン」「ベースとハーモニーをプラス」「オブリガートをプラス」「装飾もさらにプラス」「トゥッティへ」…といった感じです。
そういったところでいうと、何度繰り返されても飽きない「魅力的なメロディーが持つ力」、そして飽きさせない「優れたアレンジの力」を味わうのにも、もってこいの作品と言えるかもしれません。 いろいろな楽しみ方が出来るのが嬉しいですね。
それでは、3曲めの紹介に参りましょう。
ガンバスター交響詩《トップをねらえ!》《トップをねらえ2!》より
こちらは、「立つ鳥~」と同じ《トップをねらえ!》シリーズからの音楽なのですが、編曲者が異なります。 「田中公平オン・ブラス!」楽曲の、ONE PIECE楽曲は樽屋氏、サクラ大戦楽曲は杉本氏とアレンジが分かれているのですが、この《トップをねらえ!》楽曲は2曲を2人のアレンジャーに分けている、珍しい部分ですね。
どこがどう、と具体的な話ではないのですが、12分近い演奏時間の間に紆余曲折、ストーリー性を感じられる構成になっています。 その中でも冒頭から2番めのパート、ティンパニのソロが導く「ガンバスターマーチ」は、ファンの間では通称「デンドン」とも呼ばれいかにも格闘ロボットアニメ的な音楽。 聴いた後は、なにはなくとも「デンドンデンドン」とティンパニのソロがノンストップ脳内リピートを起こしそうな、強烈なインパクトがあります。
シンフォニックな響き、美しさ、重さも兼ね備え、コンサートのメインプログラムやコンクールの自由曲にも使える、演奏し甲斐のある作品に仕上がっております!
本日ご紹介した3曲は、すべてこちらのCDに収録しております。
CAFUA webショップでもお買い求めいただけますので、ぜひご利用下さいね。
それでは、10月1日(水)の新譜発売、そして来週のこのコーナーもお楽しみに!
最後までお読み下さり、ありがとうございます♪