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ジェローム・ララン フランスでの演奏会をレポート
9月13日、フランスのパリ郊外 -ロワイヨモン修道院- において、サクソフォーン奏者ジェローム・ラランが主宰する現代音楽を主体としたアンサンブル、Ensaemble Cairnの演奏会が行われました。
この演奏会は -ロワイヨモン修道院- が定期的に行っている現代音楽の実験的演奏会。修道院内の収容人数100名ほどの祭礼場で行われました。
この昔の佇まい、そして神聖な雰囲気漂う修道院で、現代音楽の演奏会が開催されるとは、さすが現代音楽の先進国フランスです。演奏会の開演時刻はなんと夜の9:00!
ここでも昼が長いヨーロッパの文化に触れることができました。演奏会は現代音楽主体というだけあって、半透明のスクリーンに揺らぐ蝋燭の炎や修道院の釣鐘などの映像を投影しながら、聴衆の心に訴えかける描写音楽が中心。
ジェロームはアンサンブルの他にもSoloを披露。10年前の自身の演奏を録音し、その音源に重ねてジェロームが演奏するという試みもあり、すべてのプログラムが聴く人の心に直接響くものでした。また、アンサンブルの編成はFlute・Clarinet・Saxophone・Guitar・Piano・Violin・ViolinCellの普遍的な編成。
アンサンブルの融合は一時も油断できない緊張の中に、温かみと想像を掻き立てる音楽の連続。
7月12日に行われた日本でのリサイタルとは全く違う文化の差を、耳でも肌でも感じられた素晴らしい演奏会を体感できました。7月に発売されたジェローム・ラランのアルバム「Impressions d’Automne」は、“レコード芸術9月号”や“PIPERS8月号”、“The SAX11月号”で取り上げられています。掲載された記事を見ると聴き方が変わって、さらにアルバムを楽しめます。是非、記事を見ながらジェロームの音楽を聴いてみて下さい。
レコード芸術誌 準特選盤
「Impressions d’Automne」 ジェローム・ララン
3,000円(税込) CACG-0119