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アンサンブル紹介リレー・その29
こんにちは。今日は、Ca社長の誕生日をスタッフで祝いました。
そんな日にご紹介するのは、こちらの作品です。
CEM-026
a priori / 天野正道(フルート8重奏)
定価4,620円(税込)このオクテットの編成は“ピッコロ1、フルート4、アルトフルート(in G)2、バスフルート1”となっておりますが、3rdフルートにウッドブロック・ウィンドチャイム・トライアングルの持ち替え、4thフルートにヴィブラフォンの持ち替えがあります。
持ち替えといっても打楽器がかなりエキサイティングに活躍しているこの曲…ことヴィブラフォンに関しては、フルートの片手間にできるレベルではない、と作曲者の天野氏も話しています。
タイトルの「a priori(アプリオリ)」は、18世紀ドイツの哲学者エマニュエル・カントらが用いた概念で、「経験的認識に先立つ、先天的・自明的な認識や概念」を指す言葉です。
法学用語として用いられることもあり、その際は「自明」ないし「所与のもの」と同じように「特に論証や立証なくして明らかな(明らかであるとして扱ってよい)事項」などのような意味で使われます(対語は「アポステリオリ」)。このように哲学的な概念を、楽曲のタイトルにした作曲者の意図はどのようなものだったか…?
なかなか、明確な答えにたどり着ける問いではなく、問いかけながら演奏することに意味があるのではないかと思いますが、少なくとも演奏者自身が「こうじゃないかな???」と思えるところまでは持っていかないと、聴衆にはますます分からないままに伝わってしまいます。持ち替えを含めた演奏技術もそうですが、解釈も一筋縄ではいかない作品です。しかし、楽しみながらも音楽に真剣に向かい合っている方には、奥深く魅力的な作品であることでしょう。
前回ご紹介した「ソナチネ」同様、
ソロ(ピッコロにも長~いソロがあります)、コンビネーション、シンクロ、ハーモニー等がとても重要で、大切にすれば必ずその部分が生きてきます。全体から細かいところまで、丁寧に演奏して頂ければ、と思います。
天野正道作曲のフルート8重奏「a priori」はこちらのCDに収録されています。
CACG-0135
第32回全日本アンサンブルコンテスト (中学・高校編)
定価4,200円(税込)東京都杉並高等学校吹奏楽部による、堂々たる演奏です。是非あわせてお楽しみください。
楽譜事業部 高橋