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アンサンブル紹介リレー・その20
こんばんは。今夜は今月2度目の満月、ブルームーンです。
このアンサンブル紹介リレーもちょうど20回を迎えました。本日ご紹介するのはこちらの楽曲です!
CEM-024
ウェイ アンカー / 堀田庸元(金管8重奏)
定価4,410円(税込)「ウェイ アンカー」は”Weigh Anchor”。
「錨を上げる、出帆する」という意味の言葉で、作曲者が意図したとおり、今まさに出発する!というような決意を感じさせる曲に仕上がっています。
意気揚々とか、期待に胸を膨らませる…などというよりは、「決意」という言葉が似合うように思います。多少の「緊張感」や「不安」、「不穏」な空気もまとっているようです。全体は急―緩―急の三部構成となっており、テンポの速いパートでは、8分音符が流れないように、とか、2拍3連音符をコンビネーションで吹くとか、キメのリズムを全員でしっかりキメるとか、シンコペーションのリズムで前進力を出すとか、それはもう聴きどころ、聴かせどころが満載でとても全ては書ききれません(そりゃそうですよね)。
少しハードで、クールな感じが好きな方には断然おススメです。「キレてるアンサンブル(それはもう良い意味で)」をアピールするのに最適です!とはいえ、アンサンブルのキャラクターも単一よりは二面性、奥行きがある方がより魅力的ですよね。緩徐部ではハーモニーと、それぞれの楽器のソロによる美しいメロディをじっくり聴かせます。
メロディは、テンポとの距離感をうまく取っていきたいところ。メロディ以外に動きのあるパートがない部分もあるので、歌いつつも停滞してしまわないように気をつけましょう。ハーモニーは、特にトロンボーン3本で担当するところなどは特技をしっかり活かし、じゅわっと溢れるような和音を作れれば最高です。こうしてご紹介していると、この曲に取り組むことによる金管セクションのアンサンブルレベル向上効果は相当なものと言えそうです。曲中で、1stトロンボーンにやや高い音がある箇所があります(最高ハイD)が、もし演奏が困難な場合は作曲者自身が用意した「低い音のバージョン」もありますのでご検討下さい。楽譜に”Ossia”(もしくは、という意味)として記載されています。
ミュートやフリューゲルホルンも使用してさまざまな音色を用い、金管アンサンブルの輝かしい響きを十分に活かそうという意図のもとに書かれた作品です。
楽器どうしのコンビネーションの変化も、楽しんで演奏してみて下さい。楽譜事業部 高橋