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アンサンブル紹介リレー・その39
本日は、CAFUAの打楽器アンサンブルから2曲をご紹介します。
まずはこちらの作品!
CEM-009
ヘキサゴン / 天野正道(打楽器6重奏)
定価4,620円(税込)「ヘキサゴン」という単語を聞いたことのある方は多いと思いますが、ここではおおもとの、ギリシャ語で「六角形」を意味する数詞、また神秘主義においてある種の意味合いを持つ言葉として捉えて下さい。楽曲中のいたるところにヘキサゴン…“6”を意図するアイディアが仕込まれています。また、「神秘的という以外に、うまく言い表すのが難しい」けれどもそういった楽想を、感じて頂くことが出来ると思います。それらは「なんとなく」ではなく、「意図して」作られたものなのです。
「数」と「神秘」と「美」のつながり・関係について、考えたくなる作品ではないでしょうか。
楽譜は、慣れていない方には一見難解に思えるかもしれませんが、落ち着いて(もし可能ならば音を聴きながら)読譜すれば大丈夫です。トゥッティをはさみながらのソロ回しで、先のソロを終えた奏者が次のソロ担当者を指名するパートなどもあり、楽しんで演奏して頂ければ幸いです。天野正道の打楽器6重奏「ヘキサゴン」は、こちらのCDに収録されています。
CACG-0102
パーカッションアンサンブル邦人作品集
演奏:小川佳津子&ステラ21
定価2,800円(税込)もしすでにCDだけお持ちの方は、楽譜を見ると驚かれると思います。どのように書かれているのか、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
2曲目にご紹介するのはこちら!
CEM-038
P-Spiral / 喜多形寛丈(打楽器5重奏)
定価4,830円(税込)PはパーカッションのP、ポジティブのP、そして○○のP。
Spiralは、すべての次元において最も基本的な原理。
そのような意図で書かれた曲でありタイトルとなっています。
先にご紹介した「ヘキサゴン」では、鍵盤打楽器やチャイムなどの音程のある楽器と、金(カネ)ものの楽器の活躍が印象に残りますが、こちらの「P-Spiral」では太鼓、そして木製の打楽器が比較的多く使われています。
太鼓を多く使用したのは、「基本原理」に立ち返ろうという意思のひとつの表れなのかもしれません。中間部には、ヴィブラフォンとチャイムによる美しくも浮遊感のあるハーモニーが配されています。
『「基本原理」を求めて突きつめていったら、突如、宙に投げ出されたようになって、スローモーションで美しい何かを見た…あれは…追求してきた原理、なのかな?』そんな印象は、楽譜担当の個人的な感想ですが、もし共感して頂ける方がいれば嬉しい限りです。テンポの揺れ、アクセントの位置には十分注意して下さい。
「叩きまくる」といういい方は乱暴で語弊があるかもしれませんが、いわゆる「太鼓系打楽器」の活躍を存分に楽しめる作品です。喜多形寛丈の打楽器5重奏「P-Spiral」は、こちらのCDに収録されています。
パーカッションアンサンブル邦人作品集2
演奏:小川佳津子&ステラ21
定価2,800円(税込)本日ご紹介した作品について、演奏する際に、もし可能ならば照明の演出を加えてみるのはいかがでしょうか。主観的意見ではありますが、打楽器は管楽器以上に演奏を「見て」も楽しめるものだと感じております。
最後までお読み頂きありがとうございます。次回が、この度のアンサンブル紹介リレー最終回となります。どうぞお楽しみに。
楽譜事業部
高橋