• 秋のレンタル楽譜紹介⑨火祭りの踊り パラフレーズ

    Date: 2013.11.16 | Category: レンタル楽譜紹介 | Tags:

    こんにちは。しばらくこちらのシリーズはお休みさせて頂き、コンクールの演奏曲をご紹介しているうちに、すっかり秋も深まってしまいました。
    「秋の」レンタル楽譜紹介、再開です! 本日ご紹介するのは、こちらの作品♪

    火祭りの踊り
    火祭りの踊り パラフレーズ / マヌエル・デ・ファリャ作曲、長生淳編曲
    演奏時間:約7分
    レンタル価格:28,000円(税別)

    全日本吹奏楽コンクール全国大会でもその作品が多数演奏され、注目を集めている長生氏の筆による作品です。

    この作品のもとになったのは、スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャのバレエ音楽「恋は魔術師」。若く美しい未亡人が、新しい恋人との仲を亡き前夫の霊に邪魔されるので、友人に頼んで亡霊を誘惑してもらい、その間にめでたく新しい恋を成就させる…という筋書きです。

    ファリャはスペイン南部のアンダルシア地方はカディスの出身で、若い頃はパリに出て活躍し、当時の音楽人-デュカス、ドビュッシー、ラヴェル、アルベニスなどと親交を深めましたが、やはり生地アンダルシアの音楽は常に彼の中にあったでしょう。スペインの音楽を色濃く映したバレエ音楽「三角帽子」などもとても有名です。

    「火祭りの踊り」はバレエ音楽「恋は魔術師」の中でも特によく知られた楽曲です。長生淳の「火祭りの踊り パラフレーズ」では、「恋は魔術師」の構成曲から「火祭りの踊り」の他に、「序奏と情景」「無言劇」「情景」「愛の戯れの踊り」等を一部引用しています。
    東京佼成ウィンドオーケストラからの編曲委嘱で、一人一パートを基本にメンバー一人一人が力を発揮できるようにと考えられています。

    もとが2管編成の管弦楽曲ですので「まずは原曲を聴いて頂きたい」とは長生氏も話しているところですが、ほかのアプローチとしては、スペインの音楽とそれが根ざすスペインの風土について見識を広めてみる、という方法もありそうです。
    音楽の録画録音物を視聴するほか、写真を見てみたり、民俗を調べてみたり、ネイティブスペイン人のいるスペイン料理屋や居酒屋にいって食文化を体験したり、生演奏や舞踏も見ることが出来たら…自分たちが演奏する曲も、空気から変わっていくのではないでしょうか。

    ここに書いてしまうのは少し迷うところですが、この「火祭りの踊り パラフレーズ」は、難易度を表すグレードを”6”と設定させて頂いています。CAFUAレンタル譜の難易度評価は5段階で、同じく長生氏の手による「パガニーニ・ロスト イン ウィンド」がグレード5となっています(まぁ、そうは言っても、グレード5+や6とさせて頂いている作品は他にもいくつかあるのですが…)。
    このグレード設定も、選曲の際には多少気になりますよね?

    しかし!
    ☆今なら来年のコンクールまで、じっくり時間をかけて準備できる!ということ、そして
    ☆難しさにとらわれず、ファリャとスペイン音楽の空気を楽しんで頂きたい!という点から、
    楽曲へのアプローチについて、おせっかいながらも少々ご提案させて頂きました。

    「火祭りの踊り」は「恋は魔術師」のハイライト。美しい女友達に、浮気性だった前夫の亡霊を誘惑してもらう…妖艶で蠱惑的な踊りです。
    吹奏楽のステージで演奏する時は、聴衆を音楽で魅了する! そんな心持ちで、演奏してみてはどうでしょうか。作品が持つスペインのカラーも、舞台に色を添えてくれると思いますよ。

    マヌエル・デ・ファリャ/長生淳「火祭りの踊り パラフレーズ」の演奏が収録されているCDはこちら!

    CS2012
    CAFUA セレクション2012 吹奏楽コンクール自由曲選
    「火祭りの踊り パラフレーズ」
    指揮:加養浩幸、浦川薫
    演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊

    観賞用にも選曲用音源にも、自信を持ってお勧めできるCDです。

    「秋の」レンタル楽譜紹介シリーズ、次回が最終回となります。
    最後は何の曲かな? どうぞお楽しみに♪

    楽譜事業部 
    高橋