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秋のレンタル楽譜紹介⑧バラード
こんにちは。このところ、急に肌寒くなってきましたね。
行楽の秋、実りの秋、秋はもう過ぎてしまったのでしょうか。。。だとしたら、ちょっとさびしいところです。
懐かしい季節やときを懐かしむ気持ちと共に、本日ご紹介するのはこちらの作品です!
バラード~人想ふ あこがれこがれ 切なさも 思ひさませば 夢としるべし~ / 内藤淳一
演奏時間:約5分
レンタル価格:19,950円(税込)副題とされたのは、詠み人知らずの恋の歌。
「若いころの、熱にうかされるような切ない恋も、それから何年も経ってみれば、夢のようなものだったなぁ。」
そんなことを改めて思う感慨を、起伏のある主旋律と幾重にも絡まり合う対旋律、さらにそれらの旋律を受け止めるために、非和声音が多用されたハーモニーで描いた…と、作曲者の内藤氏は話しています。どんな非和声音かというと…
たとえば、エンディングの和音を例にあげれば、主和音のFのコードにgを足したF9を使用していること、などがあります。
…9の和音は、おしゃれですが、非和声音とは言わないかもしれませんね。とはいえ、三和音や四和音では追いつかない、多様な和音、和声を使用していることは確かです。
それも、いちいち「複雑だ」「おしゃれだ」と良い意味で感じさせない、それよりも「温かさ」や、(楽曲に対して使う言葉かよく分かりませんが)「滋味深さ」を感じさせ、聴く人の心を優しく包み込むような力が、この作品の特長といってもよいのではないかと思います。速さ・曲想は終始”Andante espressivo”で、ritardando ? a tempoなどによる揺らぎはあるものの、一貫してゆったりとした表情の作品です。
そして、先にお話しした通り、主旋律の他にもいくつもの対旋律が同時多重展開しています。
つまり、旋律が常に沢山ある>>みんなに美味しいパートがある!
…ということも、一つ言えると思います。「ゆったりした曲はシロタマばかりで退屈…」なんて、思わないかもしれませんが、
すべてのパートが旋律的に書かれている(音の長さはまちまちですが)この曲なら、きっとすみずみまで楽しみながら演奏できるのではないでしょうか。
(ちなみに…「ハーモニーに非和声音を多用した」というこの楽曲、各旋律にも和声外音がしばしば用いられています。それらを探しながら、ひとつひとつ解釈して音にしていくのも、楽しそうですね。)今となっては、つらさや痛みや苦しさではなく、温かさと懐かしさと共にある思い出なのだろうなぁ。と感じられる作品です。
内藤淳一の「バラード~人想ふ あこがれこがれ 切なさも 思ひさませば 夢としるべし~」は、こちらのCDでお聴き頂くことが出来ます。
鈴木英史 ライフ・ヴァリエーションズ
指揮:浅田享
演奏:浜松交響吹奏楽団前回もこのCDからのご紹介でしたね。とても聴きごたえのある、おトクな1枚となっております!
さて、このシリーズもあと2回となりましたが、どんな曲が登場するのか?
次回もどうぞ、お楽しみに!楽譜事業部
高橋