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秋のレンタル楽譜紹介④ローマの謝肉祭
こんにちは。朝晩の気温差が激しい今日この頃ですが、いかがお過ごしですか?
先日の満月の夜には、美しい“中秋の名月”を堪能された方も多いのではないでしょうか。
それでは本日も、レンタル楽譜のご紹介をさせて頂きたいと思います。本日は、こちらの作品です♪
ローマの謝肉祭 / 作:L.H.ベルリオーズ、編:鈴木英史
演奏時間:約9分
レンタル価格:29,400円(税込)原曲の作曲者、ルイ・エクトル・ベルリオーズは、19世紀フランスロマン派を代表する音楽家です。作曲だけでなく、指揮者としても活躍しており、標題音楽の創始者としても知られています。<幻想交響曲>の作曲者としても有名ですね。
前述したとおりベルリオーズは「フランスの人」であり、楽曲タイトルも“Le Carnaval Romain”とフランス語で綴られています。つまり、「フランス人から見たイタリア・ローマの謝肉祭の印象」というふうにも考えられます。
イタリアの風物を表現する時、ネイティブのイタリア人と、外国人(この場合フランス人)が表現するのでは、きっと違うものが出来上がりますよね(どちらが良いとか優れているということではありませんが…)。そういう部分も楽しみながら、聴いたり演奏したりしてみるのも良いのではないでしょうか。
アレンジは、管弦楽編成から吹奏楽編成へのアレンジを数多く手掛けている鈴木英史氏によります。解説に、管弦楽曲を吹奏楽にアレンジする際のこだわりについてコメントを寄せて頂いていますので、引用してご紹介します。
吹奏楽で管弦楽作品を演奏する際に、原曲の声部をそのまま置き換えた譜面(またはそれでも成り立つ作品)と、全面的に吹奏楽用に組み替えられた譜面(それが必要な作品)があります。そもそも管弦楽と吹奏楽は全く違う演奏媒体です。ラヴェルが自作ピアノの曲を管弦楽にするのと同じくらいの創造力が必要ですし、演奏にも同じような創造力が必要です。そのような創造力と姿勢で取り組まれた「編曲」という作業は確実に「再創造」としての力があります。移し替えた譜面や演奏には音楽の力はこもっていません。
(中略)
今回アレンジにあたって、ベルリオーズが要求している「色合い」を吹奏楽で表現するには、ほぼ全ての箇所の配置を変更する必要がありました。弦楽器では問題なく「響く」配置も、管楽器の集合体では「全く響かない」ということは皆さんも経験していることでしょう。オーケストラの音符を「移す」だけでは音楽を伝える事にはならない、これは編曲だけではなく、演奏にも言えることです。(解説より抜粋)ぜひ、オーケストラの演奏と、この楽譜(吹奏楽版)の演奏を聴き比べながら検証してみて頂きたいのですが、このアレンジでは「オーケストラ的な軽さ、華やかさ、ストリングスを含んだ編成だからこその爽やかさ」の気配を感じることが出来るのではないでしょうか(※オーケストラにも、重さやさびしさや暑苦しさの表現力はあります)。
この作品が持っているキャラクターは、先に挙げた
・外国(フランス)人から見たイタリアの印象(イタリアらしい歌い回しも魅力的)
・軽快さ、華やかさ、爽やかさ
…のほかにも、・謝肉祭の解放感
・玄人ばかりでなく、庶民にも親しまれ、愛される性質(オペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」から派生した、劇半音楽としての性質も残しています)
などが挙げられます。歌の国イタリアの旋律を持つ管弦楽作品、
活気があり、華やかで楽しげな雰囲気のこの作品に取り組むことは、
演奏会のプログラムだけでなく、演奏者の音楽性の幅も広げてくれることでしょう。鈴木英史氏の編曲による「ローマの謝肉祭」は、CAFUAセレクションシリーズの8枚目であるこちらのCDに収録されています。
CAFUAセレクション2011 吹奏楽コンクール自由曲選 「ローマの謝肉祭」
指揮:加養浩幸、浦川薫
演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
CACG-0163 / 定価2,800円(税込)コンクール自由曲におすすめの作品を、国の内外を問わず集めた一枚です。
CAFUAレンタルライブラリーではこの他にも、鈴木英史氏の編曲によるアレンジ楽譜を多数お取り扱いしております。
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ドリーブ:バレエ音楽「コッペリア」
オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲参考音源CDも楽譜の詳細ページでご案内しておりますので、ぜひあわせてチェックしてみて下さいね。CAFUA webサイトでレンタル楽譜とCDを同時注文して頂くと、CDが30%offになるキャンペーンも、好評実施中です。
第4回は、L.H.ベルリオーズ / arr.鈴木英史「ローマの謝肉祭」をご紹介致しました。次回もどうぞ、お楽しみに♪
楽譜事業部
高橋