Archive for 1月, 2020

  • CAFUAのレンタル楽譜〈川辺真、鈴木英史作品〉

    Date: 2020.01.07 | Category: レンタル楽譜紹介 | Response: 0

    皆さまこんにちは^^
    お正月も三箇日が過ぎ、あっという間にもう4日になりましたね!
    本日は、コンサートにもコンクールにもおすすめの吹奏楽オリジナル作品を2曲ご紹介させて頂きます。

    川辺 真(かわべ しん)
    「希望岬にて」

    堂々とした冒頭のファンファーレに始まり、格好良くて、心地よい音楽で、“吹奏楽っていいな~!”と純粋に感じさせてくれる、コンサートのオープニングにおすすめの作品です。
    南に広がる海の風景とそこに暮らす人々の生活をイメージして書かれた序曲タイプの作品で、暖かな風に吹かれながら眼前に広がる青い海を眺めているような、そんな爽快感とともに胸に希望を抱かせてくれる音楽となっています。
    オープニングにおすすめと書きましたが、演奏時間は約8分半となっておりしっかりしたボリュームがあります。
    作曲の仕掛けも面白く分かりやすい作品で、「こうする(書く、演奏する)とこう(こんな音、展開に)なるのかぁ~!」などとそれぞれに観察・分析しながら演奏するとより一層楽しく取り組めることと思います。
    演奏はブレーンのYoutubeチャンネルで一部を聞けるほか、第22回響宴のCDで全体をお聞き頂くことが出来ます(演奏はいずれも松戸市立第四中学校吹奏楽部)。
    次にご紹介するのはこちら!

    鈴木英史
    『「風を織る」〜吹奏楽のためのセレナード』

    2018年の全日本吹奏楽コンクール全国大会での防府市立桑山中学校吹奏楽部の演奏が記憶に鮮やかですが(それはもう鮮やかな演奏でしたので)、もう2年前になるんですね。
    この楽曲と向き合っていると、「作品というものは、何故・何のためにあるのだろうか」という問いが繰り返し思い浮かんできます。
    物語やメッセージがあるタイプ。形式あるいはジャンルがあるタイプ。演奏技術の高さを披露したり、演奏する場や機会のために作られているタイプ。
    この作品はどうでしょうか。
    この曲の欧文タイトルは”Woven Breeze” Serenade for wind ensembleとなっていますが、よく使われる語彙ではあるものの、”for wind ensemble”という言葉の選択には演奏へのヒントが感じられます。
    解釈やイメージはそれぞれであるとしても、丁寧に、立体的に、織り上げるように演奏して頂けたらと思います。

    演奏は
    CAFUAセレクション2015「風を織る」
    および
    CAFUAセレクション天野正道選曲ゴールデンベスト
    こちらのCDに収録されています(演奏は海上自衛隊東京音楽隊による同一のものです)。

    *この記事は2020年1月4日にCAFUAレコードのFacebookページで公開されたものです。

  • CAFUAの吹奏楽譜〈芳賀傑作品〉

    Date: 2020.01.07 | Category: レンタル楽譜紹介, 吹奏楽(販売)譜紹介 | Response: 0

    皆さまこんにちは^^
    今日は2019年にお取り扱いを始めたばかりの、芳賀傑さんの作品をご紹介したいと思います。

    芳賀 傑(はが たかし)作曲
    「水面に映るグラデーションの空」(レンタル楽譜)
    第6回クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクール第1位・聴衆賞受賞作品(テーマ:平和)

    「星屑パレット」(販売譜)
    17名から演奏可能な小編成版はこちら

    既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、「星屑パレット」は「水面に映るグラデーションの空」の後半部分をスピンオフ的に独立させた作品になっています。3分半ほどの演奏時間で美しい音楽を味わうことができ、アットホームなコンサートやアンコールピースにぴったりの作品です。

    しかし、ただ後半部分を切り離したのかといえばそうではありません。最も(!)大きな違いは、“盛り上がりのピークからエンディングに入るときの和声進行”でしょう。

    その境目の2小節だけに注目してみますと、
    「星屑パレット」ではB♭7、C7から、低音にB♭の音を残しつつも全体はFの和音に進むストレートな進行です。
    対して「水面…」では、十分なモーションでFに進むと見せかけてなんとG#m7(4th,9th)!へ進みます。
    これは難しかったので作曲者の芳賀さんにお話を聞いてみました。

    「結構無理やりな進行ですが、あえていうとF dur :Ⅴ → 短2度下転調 E dur : IIIといった感じでしょうか」
    「その後E durの III – IVの和音をたゆたいますが、Sop.SaxやFl.にはAisのリディア旋法の音が乗っかっています」

    なんということでしょうか…。これが、「水面」においては「え~~!!(そう進んだの!?)」そして「あ~~!?(そのまま終わっちゃった!)」という、衝撃と、強烈な余韻を生み、一方の「星屑パレット」ではまるで「安らかに天に昇りました」というような安心感となり、そうして“聞き終わった後の印象の違い”に大きな影響をもたらしていたんですね。
    また新たな要素が芳賀さんの口から明らかになりましたので少し考えてみましょう。

    「その後E durの III – IVの和音をたゆたいますが、Sop.SaxやFl.にはAisのリディア旋法の音が乗っかっています」

    はい…
    Eのキーにおける長調とリディア旋法の構成音を見比べてみましょう!

    E長調:e fis gis a h cis dis (e)
    Eリディア:e fis gis ais h cis dis (e)

    なんと、aとaisだけが異なる構成音なんですね。
    演奏するにあたり、全体的にはE durの響きだけれども、自分のパートにだけ異質な音(ais)があるとなれば、不安に感じることもあるかもしれません。ですが逆に、「このaisがリディア音階のアイデンティティだ」と分かっていれば、かえって心強く、しっかり演奏しようという気持ちになれそうです^^

    音取りの難所をもう一つピックアップします。
    「水面」において、「星屑パレット」として独立した部分に入る直前の和音は、A♭M7(9th)だそうです。
    M7のgの音は特に取るのが難しそうですが、それが特徴的な音ですので、頑張って取りましょう!

    ピッチの他にも、音量や、タイミングのコントロールに気を使う部分が多い作品ですが、「こわごわ演奏する」のではなく「狙いすまして」、「勇気を持ち大胆にいこう」と考えれば意外と気持ちが楽になるかもしれません。
    素敵な作品ですので、ぜひ沢山の方に演奏し、聞いてみて頂ければと思っております。

    「水面に映るグラデーションの空」は「響宴XXII」のCDで(演奏:神奈川大学吹奏楽部)、「星屑パレット」は楽譜の詳細ページにあるリンクから動画でお聞き頂けます(演奏:ウインドアンサンブル愛知)。
    (文中では英語とドイツ語の音名表記が混在してしまいましたが、便宜上コードネームは英語で書かせて頂きました。何卒ご了承下さいませ。)

    *この記事は2020年1月3日にCAFUAレコードのFacebookページで公開されたものです。

  • CAFUAのレンタル楽譜〈GRシンフォニック・セレクション〉

    Date: 2020.01.07 | Category: レンタル楽譜紹介 | Response: 0

    令和二年、
    明けましておめでとうございます!
    本年もどうぞよろしくお願い致します♪
    新年最初の投稿でご紹介したい楽曲は決まっています!それはこちら!

    天野正道「GR」より シンフォニック・セレクション
    大編成版:http://www.cafua.com/products/detail549.html
    中編成版:http://www.cafua.com/products/detail550.html

    CAFUAレンタルライブラリーの最初期からお取り扱いしている楽曲で本当に長く沢山の方に愛して頂いていますが、最近はさらに人気再燃!注目を集めています。
    大編成版と中編成版の2種類があって、「GRシンフォニックセレクションやってみたい!」と思われた方はどちらを選べばいいか迷われるのではないでしょうか。

    この二つのバージョンには以下のような違いがあります。
    1.編成の大きさが違う。中編成版は中庸な、大編成版はかなり大きなフルバンドになります。
    2.難易度が違う。いずれもグレード4+となっていますが、中編成版の方がいくぶん易しく書かれています。
    3.演奏所要時間が違う。楽譜どおり通して演奏しますと、大編成版は約18分、中編成版は約12分となっています。
    4.楽曲の内容が違う。どう違うのかといえば、「タイムの分大編成版の方が内容が“多く”、中編成版の方が“少ない”」ということになります。中編成版に、大編成版にない楽想が含まれているということはほぼありません。

    4.について特徴的なのは、大編成版には“歌唱部分がある”ということです。人の声は、楽器の音とはかなり質が異なるので、聞いた印象への影響は大きいですね!
    中編成版も大編成版も、楽曲のパートごとに雰囲気やシーンのイメージが分かりやすいのですが、大編成版の方が“エピソードが多い”という感じになっていて、こころの機微が一層細かく丁寧に描かれているために、演奏するにも聴いてみるにもより“感情移入しやすい”ということが言えそうです。

    これ、言い出すとなんでもありになってしまうので、むやみに言いたくなかったんですが、一度だけ言わせて下さい…
    超絶エモいんです…!!

    中編成版の録音はこちらのCDでお聞き頂けます。
    CAFUAセレクション2008 吹奏楽コンクール自由曲選「バンドのための民話」
    (演奏:航空自衛隊西部航空音楽隊)

    大編成版の演奏はこちらのCDに収録されています。
    浜松交響吹奏楽団
    『天野正道「GR」より シンフォニック・セレクション 〜明日への希望』

    こちらは大変ありがたくも完売となり現在CAFUA webショップではお買い求め頂けないのですが、Amazon Recordsのオンデマンドサービスで再販を行っております(CD-R製品となります)。
    ご注文はこちらから→https://www.amazon.co.jp/dp/B072KMT82G

    『「GR」シンフォニック・セレクション』の他に、同じく天野正道作曲の『「GR」より 明日への希望』「おほなゐ」、遠藤幸夫による人気アレンジ『「千と千尋の神隠し」ハイライト』なども収録されている名盤です。ぜひチェックしてみて下さいね^^

    *この記事は2020年1月2日にCAFUAレコードのFacebookページで公開されたものです。

  • CAFUAのレンタル楽譜〈長生淳作品〉

    Date: 2020.01.07 | Category: レンタル楽譜紹介 | Response: 0

    皆さまこんにちは。
    令和元年も今日が最後の一日ですね。
    今日はCAFUAレンタルライブラリーの中から、長生淳さんの作品を2曲ご紹介したいと思います!1曲目はこちら。

    長生淳
    「天頂の恋」
    七夕伝説を題材に、はるか天空の悲恋に思いを馳せるロマンティックな作品となっています。はじめは2005年にサクソフォーンプレイヤーの須川展也氏の委嘱でソプラノサックスとテナーサックス、ピアノのためのトリオ作品として書かれ、2013年にヤマハ吹奏楽団の委嘱で吹奏楽版が生まれました。
    “悲恋”といっても、今まさにつらい!苦しい!という生々しさではなく、甘美で優雅な雰囲気で、天上の恋の物語はいかにか…と物思いに耽りたくなるような作品です。
    全体的に6/8拍子の部分が多く、それがまた優雅な雰囲気や“舞”のイメージを想起させますが、時には天の川に恋人たちの思いが溢れるような激しさや、“このドラマはどうなってしまうのか?”とハラハラさせられる展開もあり、コンサートでじっくり丁寧な演奏を聞かせたい、聞かせて欲しい作品となっています。
    演奏はヤマハ吹奏楽団のCD「ヤマハのオト~奏でる匠のオト~Ⅰ」でお聞き頂けます。

    続いてはこちら。

    長生淳
    「いざ咲き匂はざらめやも」
    この曲は2018年に千葉県立幕張総合高校の委嘱で作曲されましたが、先に「天頂の恋」を演奏していた同校から「次の作品では恋を成就させてほしい」というリクエストがあったそうです。「天頂の恋」はどこか時間的・距離的な感覚で隔たりがあって、それゆえにおとぎ話や昔話のような遠くて美しいもののイメージがありますが、それに比すると「いざ咲き匂はざらめやも」はより近く、鮮やかで、現実的な印象があります。
    恋(あるいは愛)をテーマとしつつも、「いつ何をもって“成就”といえるのか」を考え始めるとなかなか難しく、そこに至るまで長い道のりがあるならば、「いつか咲き匂うための努力がある」「苦難に負けず、乗り越えてやがて成熟していく」と思うと、怯みもし勇気づけられもし…“今生きている作品”という感じがあります。
    また、「咲き匂う」という言葉もイマジネーションのある言葉で、演奏のヒントになりそうですね。
    コンクールでの演奏では制限時間がありカットが必要になるかと思いますが、ノーカットで演奏すると約15分ほどの作品です。こちらもぜひ一度は通して演奏してみて頂きたい作品です。

    CAFUAレンタルライブラリーでお取り扱いしている楽譜は、全曲POST de スコアのサービスもご利用頂けます。「高額の演奏用楽譜をレンタルする前にスコアをチェックしてみたい」、そんな時はぜひPOST de スコアをご活用ください♪
    それでは皆さま良いお年を!

    *この記事は2019年12月31日にCAFUAレコードのFacebookページで公開されたものです。

  • CAFUAのレンタル楽譜〈管弦楽編曲作品〉

    Date: 2020.01.07 | Category: レンタル楽譜紹介 | Response: 0

    皆さまこんにちは!大掃除は順調ですか?
    「大晦日には掃除をしてはいけない」という話もありますので、出来るだけ今日のうちに頑張って、そして合間にこの記事を読んで一息入れて下さいね(笑)
    今日はCAFUAレンタルライブラリーの中から、オーケストラのアレンジ作品をピックアップしてご紹介致します。

    ◆R.ワーグナー作曲、近藤久敦編曲
    『歌劇「ローエングリン」より』
    2017年の全日本吹奏楽コンクール全国大会で、横浜ブラスオルケスタが演奏し、見事金賞を受賞した際の自由曲です。
    「ローエングリン」は後にワーグナーが提唱した“楽劇”ではなく、明確にオペラであると定義できる最後のワーグナー作品であり、その前奏曲や《エルザの夢》、《婚礼の合唱》などは特に有名です。
    この編曲は、第一幕冒頭、第二幕(『エルザの大聖堂への行列』というタイトルで吹奏楽でも有名)中盤、そして第二幕のフィナーレで構成されています。
    コンクールのためのアレンジなので、演奏時間は約7分とコンパクトにまとまっています。吹奏楽やクラシック音楽のファンではないお客様がいるコンサートでも、聴衆を飽きさせずに聞いてもらいやすいのではないでしょうか。また、こうまでクラシカルなスタイルの楽曲は、難解な作品や大音量の吹奏楽曲が多く演奏される中で、かえって新鮮に聞こえる効果もありそうです。

    ◆C.M.v.ウェーバー作曲、中橋愛生編曲
    『歌劇「魔弾の射手」序曲』
    原曲に忠実なアレンジで、演奏時間は約10分となっています。冒頭近くに有名なホルン四重奏がありますが、パート分け等にナチュラルホルンの雰囲気が感じられて、バルブ付きの楽器で吹いていても面白く感じられるポイントになっています。また、奥ゆかしく上品な中にもスリリングな楽曲で、フレーズの呼応やシンコペーション、素早くダイナミックな動きなど、聞かせ方に工夫できる要素が多い作品です。

    ◆F.シュミット作曲、佐藤正人編曲
    『バレエ音楽「サロメの悲劇」より』
    フローラン・シュミット(1870~1958)はフランスの作曲家で、代表作品にソプラノ、合唱、管弦楽のための「詩編第47編」、バレエ音楽「サロメの悲劇」、ピアノ五重奏曲などがありますが、吹奏楽作品では「ディオニソスの祭り」が特によく知られています。
    バレエ音楽「サロメの悲劇」の原曲は2部5曲で構成されており、この楽譜の内容は途切れなく演奏される第2部「海上の魔法(Les enchantements sur la mer)」「稲妻の踊り(Danse des éclairs)」「恐怖の踊り(Danse de l’effroi)」を中心に、吹奏楽で演奏できるよう編曲したものです。
    2011年の全日本吹奏楽コンクール全国大会で川越奏和奏友会が演奏して金賞を受賞し、その後も数々の実力ある団体で演奏されてきました。
    このたびグランドメニューとして楽譜のレンタルを開始致しましたので、ぜひ沢山の方に演奏して聞いてみて頂きたいと思います。

    CAFUAレンタルライブラリーでお取り扱いしている楽譜は、全曲閲覧スコア貸し出しサービス“POST de スコア”でもご利用頂けます。
    POST de スコアはこちらからどうぞ!

    *この記事は2019年12月30日にCAFUAレコードのFacebookページで公開されたものです。

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